No,18 いつも示唆(ヒント)を与えてくれるフィンランド

【A型フォードの独り言】

今年の冬はいつになく厳しいそうだ…。
最強寒波と騒がれる程の寒波の波状攻撃が続き、我が日本列島は北から南は九州各県まで被害は大きいようです。豪雪による国道での3日間に渡る立往生なんて、想像がつかない事態です。
僕の本拠地、郡山は並木も、皆さん悪路と交通渋滞に悩まされながらも、早めに出勤、除雪作業にあたっていました。凍結による水道管破裂の電話も鳴り止まなかったようです。
西の方では『春一番』とやらが吹いたようだし、日もだいぶ延びました。異常寒波も出口が見えてきたようです。
僕にもちょっとしたトラブル発生。パーツの交換が必要な事態になってしまいました…。
僕は雪を踏みしめ氷をかみしめるブーツも持っていないし、雪道は苦手です。部品もアメリカからお取り寄せ!87歳の僕のパーツもすぐに対応できる生みの親フォード。立派ですね!
今回はそんな時に丁度、3泊5日のフィンランド出張をこなしたたけちゃんのレポートを紹介します!!!


いつも示唆(ヒント)を与えてくれるフィンランド

1月の忙しさ、月末を乗り切ってフィンランドの首都ヘルシンキに向いました。どの分野のビジネスも今や国境は無きに等しくなりました。

今回はどうしても正面から向き合い膝詰のディスカッションをしたいというお互いの意見が一致しての訪問です。
ビジネスライクなお話はまたの機会に譲るとして、タイトなスケジュールの中ひねり出した時間を有効に、いつもとは違った空気の中で、心に刺激とリフレッシュです!
時差は-7時間。フライトは直行便で10時間。初日は一日が長かった…。
以前から北欧の自然や文化、人の感性に惹かれ何度も訪れ、大いにインスパイアされてきた私です。日本とあまり変わらない国土面積に600万に欠ける人口。人口密度は1.6人。私たち日本人は森と湖の国、トーベ・ヤンソン作の『ムーミン』を思い起こします。
歴史に翻弄されながらも、誇り高く歩んだ国民性、ハイレベルな教養、何よりもオーロラが輝く厳しい環境の中で、自然に感謝と畏敬の念を抱きながら共生するライフスタイルは、底辺にぬくもりと優しさが流れています。

テンペリアウキオ教会(1969年完成)石の教会

完成からわずか半世紀…ヘルシンキの街中にあるこの教会は強固な岩盤の上に立つこの都市の特性を活かし、巨大な岩をくりぬいて壁面などは表面をそのままに、雨が降れば細い水の流れが生まれる程です。天井から差し込む自然光は心地良く、自然《神》との一体感に誘われていきます。副産物として自然のコンサートホールとしても一級品の折り紙つきです!

北欧に来たならNordic料理 Ravintola Kappeli(ラビントラ・カッペリ)

ヘルシンキのファッショナブルな街区にあるエスプラダディ公園の中、ヘルシンキ港寄りに立つ1867年創業のレストラン。
ロシア時代の重厚な装飾のレストランから開放的な空間でのカフェ。テラス席から景色を楽しみながらの語らいと多くの市民に愛されています。パリ博の頃、ベルエポックの爛熟した文化はフィンランドにも…。多くの芸術家や文化人が集うサロンのような時代もありました。

郡山より幾分しのぎやすい気候でしたが、テラスは遠慮して「その国を食す!」も大きなテーマ。
フィンランドの人々のさざめきに包まれながら【還暦親父お二人様】のディナーは続いたのです…。

世界で一番美しい美術館「Louisiana Museum of Modern Art」

急に訪れたくなりヘルシンキからデンマークに飛びました。コペンハーゲンから30㎞ほど離れた『 ルイジアナ現代美術館 』に向いました。僕たちはストレスを溜めたままにしてはいけません!相手に悟られ、うつってしまったら大変です…。自然に【癒し】と心を解放してくれる美しい美術館です。緑の中にツタの繁る建物が迎えてくれますが、海と緑地を両方楽しめる地形を生かした建物の配置と開放的な導線は、予期していなかった景色が目に飛び込み建物だけにとどまらない広い居心地の良い空間に遊ぶ楽しい心地よさに誘います。
現代アートの巨匠の数々の作品も、寄り添うようにそれぞれの感性に訴えてきます。
庭園に配置された【ヘンリー・ムーア】や【ジャコメッティー】の作品も陽光の中、熱を帯びた生命観さえ感じさせます。
人気の美術館で来館者は多いのですが、皆が『あ~しあわせだ!』という表情なのです。
世界で一番美しい ~ と言われる訳がこの辺にあるのではないでしょうか。

何故「ルイジアナ」なのか???

邸宅の最初のオーナーがなんと3回結婚…。お相手が3人とも『ルイーズ』さんだったからだそうです。   

 

ヘルシンキでの用務は文字通り「パンパン」でしたが、『見てやろう!』の精神は負けずに貪欲です!
人が集う暖かさ。自然との共生。感謝と畏敬の念…。作品、建物、自然、すべてが一体となってともに豊かになれる。
今年は裏磐梯にある我が【ホテリ・アアルト】も次のステップに進みます。
アアルトはフィンランド語の波。裏磐梯の湖沼群と繋がります。
波の波紋から広がるイメージ。余計なものが何もない…。それでいて十分満たされるシンプルなスタイル。吸収したものを仕事に作品に生かす。そこに止まらず皆様に語り続け、問いかけさせて頂きたい。
フィンランド行の度にその思いを強くします…。

SHARE

FacebookTwitterLine
一覧に戻る

CONTACT

PAGE TOP