No,16 白河ハリストス正教会聖堂・白河生神女進堂聖堂

白河ハリストス正教会聖堂・白河生神女進堂聖堂
白河市愛宕町50番地

平成5年3月24日福島県重要文化財指定
社団法人日本建築学会編「日本近代建築総覧」(昭和57年技報堂出版)掲載
教育委員会からの指定書建築学会からの『日本近代建築総覧』

正月明けの午後、白河市役所のほど近く、『白河ハリストス正教会聖堂』を訪ねました。 白河と言えば私達福島県民にとっては、寛政の改革を断行した松平定信公が藩主であり、小峰城は東日本大震災で大きく崩落したものの、石組みの再建に取り組み、その新たなノウハウは一昨年4月の熊本震災で大きく被災した熊本城をはじめ、全国から注目を集めています。

また定信公は領民にも優しい目を向け、楽翁(らくおう)として親しまれております。 定信公が築造された現在の南湖公園は武士、平民の別なく広く領民に解放された日本最古の公園です。 歴史に重きを成してきた城下町白河に珍しいギリシア正教の教会の存在。 以前から興味をそそられていたのですが、訪れる機会を作れないでいました。 今回見学させて頂くに当たって白河市教育委員会に問い合わせたところ、この教会は宗教施設であり現在も祈りの場として使われており、非公開となっている由でしたが、私たちの見学の趣旨を教会にお伝えいただいたところ、快くお迎えくださり御案内、御説明賜りました。 聖所正面のイコン(教会史上の出来事を画いた画像)起立のまま礼拝するため座席はない。

決して広いとは言えないが、優しい光あふれる心が解放されるような空間

頂いた資料によれば白河ハリストス正教会聖堂は1915年(大正4年)に建築された洋風教会堂建築。
木造平屋建(一部2階建)鉄板葺・開口8.17m奥行14.44m 延べ面積約115平方m。
聖所(礼拝堂)の屋根には『クーポル』と言う丸い葱のような搭を載せています。いわゆるビザンチン様式を良く伝えています。

(ビザンチン様式:五世紀中頃まで栄えたキリスト教建築様式。大ドームをのせた集中式教会堂建築が特色)

祈りが神の下に届くようにともすロウソクを表したものだそうです。

建物全体のたたずまいは威圧感が全くなく、こじんまりと無駄が無く清潔感に溢れ、自然に街に溶け込んでいます。柔らかい光に溢れ四季折々に何気なく咲く花々、さざめくような子供達の歓声が似合う暖かい表情です。
啓蒙所と言うエントランスと聖所(礼拝堂)の扉。木目や木材の節に至るまで精緻(せいち)な手書き仕上げ。説明を受けるまで全く気づきませんでした。
細かい木目なども手書きで描かれている。
白河ハリストス正教会の教区は郡山から白河。信徒は20戸ほどとお聞きしました。
100年余り信仰の灯火を守り、教会を現在まで維持するには大きな苦労があったとしのばれます。しかも2011年には東日本大震災も経験しました。
白河ハリストス正教会聖堂140年を超える歩み…今回、お付き合いくださった大寺浩様から興味深いお話を伺うことが出来ました。
御紹介は次回に…。

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