開成館(福島県指定重要文化財)震災復旧工事

古民家・文化財

福島県重要文化財に指定されている郡山市開成館。2011.3.11の大震災により大きな被害を受けました。開成館は民俗資料館として使われており、市民にとっても大切な場所です。被害の状況は、大部分の漆喰壁が剥落し、かつて修理した柱の継ぎ手、梁にも亀裂が入るなど、全体にわたるものでした。ひとつひとつ補修の方法を検討、確認し、修復工事が進められました。そしてようやく今年の9月に全館の復旧工事を終え、全館再オープンを迎えたのでした。

改修前

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改修後

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建築物概要

名称 郡山市開成館
所在地 郡山市開成3丁目
構造形式 木造、建築面積566㎡、延べ床面積1359㎡、3階建、軒高7.0m、棟高13.15m

  • 1階通し柱275角柱脚補強2か所
  • 1階下屋構造部分外方向に分離、戻して緊張補強
  • 外内部土壁崩落部分、竹子舞―荒壁、付け送り、中塗り、漆喰修繕
  • 3階天井和紙貼り替え

工事概要

  • 前回修復の時通し柱2本を根継補修してあり、今回の地震で継手部分がハズレタ状態になる。
  • 鋼製の帯でずれ止めを施した。(鉄部を表した施工法については、県の審議委員の方の指示)
  • 下屋部分のハズレは、ワイヤーで引き戻しボルトで壁ごと引っ張り補強をした。
  • 壁の修復 篠竹収集からはじめて、壁用の土つくり、竹で子舞掻き、荒壁塗り、返し塗り、付け送り、中塗り、漆喰仕上げ、で修復。
  • 和紙は重ね貼りを施工

福島県指定重要文化財 開成館

「東北の開墾村の役場にふさわしくないような三階建てで、屋根にはコバ葺きながらなだらかな反りを松の樹蔭に蔭見せている。」「いくらか昔話の龍宮に似た三層楼」宮本百合子の小説「村の三代」にこのように登場する開成館は、開成山公園の西南、住宅街に囲まれた高台に、現在は安積開拓資料館として建っています。1874(明治7)年、区会所として建てられ、安積開拓の指導者、中条正恒(百合子の祖父)により「開成館」と命名されました。地元棟梁の増子儀三郎・宗形彦八は、在来工法を基に洋風に見えるべく工夫を凝らして、和洋折衷の三層楼を造り上げました。建坪168坪、工事費は2,000余円でした。その後、郡役所、県立農学校、桑野村役場などに使用され大正初期には作家久米正雄一家がこの一隅に住んだこともありました。1876(明治9)年・1881(明治14)年の2回の明治天皇東北行幸に際して行在所(宿泊所)として使用され、1933(昭和8)年には国史跡に指定されました。戦後、指定は解除、住宅難の解決策として市営住宅に使用され荒廃した時期もありました。
 1960(昭和35)年県の重要文化財に指定され、1966(昭和41)年補修・復元工事が行われて、民俗資料館として生まれ変わりました。出典:郡山市の文化財 郡山市教育委員会


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