No,43 焼き物の里 唐津に中里太郎右衛門氏を訪ねて…
前回、久し振りに猪苗代周辺を取り上げ、北欧シリーズから、さてふるさと福島を…と進めようとしましたが、強行軍で訪れた九州にもお伝えしたい事が沢山あり、今回、次回とアップさせて頂きます。
焼き物の里 唐津に中里太郎右衛門氏を訪ねて
唐津焼き 肥前国(佐賀・長崎)で生産される陶器の総称。16世紀後半に始まり、1592年から98年に渡る豊臣秀吉の朝鮮出兵の折、同行させた陶工により開窯、隆盛が加速した。
17世紀にはオランダ・東インド会社がかなりの数をヨーロッパに積み出し、大いに珍重された。現在に至るまで我が国を代表する工芸品。通商産業省指定伝統工芸品。
工房の登り窯(傾斜を利用した熱対流を用いた大規模な窯)代々太郎右衛門の思索の空間中里さんに夕餉(ゆうげ)の席を頂きました。
1957年生れ同志、馬が合い話は弾みます。なんと中里さんの作品を持ち込み玄海の魚と美酒を味わうという至福の時を過ごしました。
第14代中里太郎右衛門氏 唐津は勿論、現代日本を代表する陶芸家の一人。中里家は歴代工人であると同時に、陶芸の求道者であり、芸術の高みを歩んでこられました。代々築いてきた作風を守りながらも絶えず新たな可能性を求め、たゆまぬ努力を積み重ねておられます。
お人柄は何事にも真摯で、その世界観は作風を通じても、親しい交わりの中でも人を魅了します。
出会い 東日本大震災以降、佐賀も東北を、福島を支援。中里さん達は焼き物を通じての支援に取り組まれ、我々の動きの中で通じ合い共鳴し合い、今日に至りました。
私共、郡山アーバンデザインセンター主催で唐津の中里太郎右衛門と有田の酒井田柿右衛門の両人間国宝の作品が会した言わば、「二」右衛門展を開催。会場を郡山市役所ロビーにも移し、多くの市民を魅了し、心を癒してくれました。
建物探訪唐津編 中里家訪問
御自宅を御案内頂きました。このブログで新座のアトリエ訪問とスウェーデン・フィンランドの旅でご紹介した。東京芸術大学名誉教授・建築家益子義弘先生の恩師である吉村順三氏の設計。
日本建築の伝統を踏まえながらモダニズムの空気感も漂う。作品も溶け込む一体感
座敷から望む庭・心を解き放つような見事な一体感です。
吉村順三氏は多くの門下生を輩出し、我が国建築界に残した足跡は大きいものがあります。
中里邸は建築家ら時を経てきていますが、中里家400年の歴史が建物と融合し、胸を打つものがありました。
唐津くんちと中里家
11月2日宵曳山に始まる『唐津くんち』の三日間は「ユネスコ無形文化遺産」「国重要無形民俗文化財」として例年町の人口の4倍の50万の人を集める。絢爛豪華な山車は壮観。
七番曳山「飛龍」は弘化3年1846年中里守衛重広の作 山車の巡行
『出会いこそ』
仕事だけに埋没せずに絶えず出会いを求めて走ることが身上。そのことは私に新しい気付きを与えてくれ、鼓舞し、磨いてくれます。中里さんもスウェーデンのケイコサンもそれを与えて下さいます。仕事人としての私に必ず生きるのです。『感謝』の気持ちが湧き上がります。